• 優勝候補とも言われたチェコがイタリアに敗れ、グループリーグで敗退した。FWのコレルを怪我で欠いたのが大きく響いた。相手は堅守を誇るイタリア。ロシツキは徹底的にマークされて十分に動けず、先制点もとられ、退場者も出て10人で戦わざるを得ず、相当に苦しいゲームだったが、その中でも最後の最後まで走り続け、相手のゴールを狙い続けたネドベドは、素晴らしかった。試合終了とともにフィールドに膝をついてうつむくネドベド。その彼を讃えるように、イタリアの選手たちが次々と近寄り、握手をし、抱き合い、声をかけていく。それはとても美しい光景だった。
  • W杯出場32チームのうち、31チームは、いずれどこかで敗北することになる。優勝できるのは1チームだけ。けれど勝者だけが我々の記憶に残るわけではない。ときには勝者よりも鮮明に記憶に残る敗者もいる。何日かまえに、負けるにしても讃えられる負け方を、胸を張れる負け方を、というようなことを書いたけれど、今日のチェコ、なかでもネドベドは、そのような美しい敗者だった。良いものをみせてもらったと思う。
  • しかしそれにしてもイタリアは嫌なチーム(褒め言葉)だった。固く固く守り続け、疲労の極に達したチェコの隙をみつけて飛び出したインザーギの、チェコの息の根を止めるような2点目のゴール。容赦ない。インザーギの飛び出し、素晴らしい。ほんとに良いゲームでした。
  • ブラジル対日本は、ロナウドのリハビリに協力したようなゲームだった。日本の選手たちも戦っていたが、気持ちでひっくり返すにはあまりに力が違いすぎた。どれだけ気持ちが強くても、B29を竹槍で落とすことはできない。そんな現実を、見えているのに見えないふりをして「勝てる、チャンスはある、云々」と煽っていたマスコミを見て、終戦前の日本のマスコミって、きっとこんな感じだったんだろうなあ、と思って可笑しかった。代表選手はおつかれさまでした。
  • そういえば、今日、6月23日は沖縄慰霊の日ですね。
  • ということでE組とF組の1位は順当にイタリアとブラジル、2位は、とくにEは予想外といって良いと思うが、ガーナとオーストラリアという新興勢力が抜けてきた。この2チームがどこまでやれるかも楽しみ。
  • そして明日朝は韓国とスイスの戦い。これも厳しいゲームだが、アジア勢全敗は悔しいので、ぜひ勝ってGL突破して欲しい。